故人の葬儀が一段落して、次に取り掛かる必要がでてくることといえば、墓石まわりの整備です。でも、墓石に名前を彫るとなると、色々と複雑ですし、時期や費用、そもそもどういう形がいいのかなど様々な問題が発生します。
そこで今回は、そんな墓石に名前を彫る行為について、意味や時期から彫るのにかかる費用までを解説していきます。
墓石に名前を入れる意味は?
墓石に名前を入れるという行為は、宗教上必ずおこなわなければならない行為というわけではありません。
しかしながら、2019年の日本においては、広く一般的におこなわれている行為であり、いったいどの故人が眠っているのかなどを親族など以外が共有するためにも、必要な行為であるとされています。
また、墓石に名前を彫ってあげたほうが、親族としてもよりよい供養をしたと自負することができます。
ただし、今までに名入れをおこなってきていない墓石に、新しく名入れをおこなうという行為は、あまり良いことではないとされています。新しく墓を建立した際もしくは、今までも名入れをおこなってきた墓石に新しくおこなう必要がある時のみ、名入れをおこなうことが推奨されます。
これは、名入れの性質上、最初に埋葬された人間から順番に名入れをするためで、そうしなければ意味がないとされているためです。いずれにしても、先祖がどのような形で供養をおこなってきたかをしっかりと踏襲することが求められます。
墓石に名前を彫るための費用相場
墓石に名前を入れる際の費用は、新しく墓を建立したか、すでにある墓に埋葬するかで費用が大きく変わってきます。新しく墓を建立した場合は、多くの石材店などで、故人1人目までの費用が墓石代に入っています。すでにある墓に埋葬する場合や新しく建立した墓に、複数の故人を埋葬する場合は、別途費用が発生します。
一般的な費用相場としては、2万円~5万円規模であるとされていますが、この費用は、地域や文字数などによっても異なることがあるため、事前にお近くの石材店などで見積りをとるようにしましょう。その際はお付き合いのある信頼できる石材店が一番ですが、初めて墓石を購入する際などは複数店舗から見積りをとり、説明を聞かれることをおすすめします。
墓を新しく建立した際にもすでにある墓に、名入れをした場合でも、開眼法要とよばれる法要をすることが求められます。これには、僧侶などが立ち会い、一般的に寺院墓地であるのならば、5万円前後の報酬を支払います。
墓石に名前を彫る時期とタイミング
墓石への名前入れというのは、絶対にしなければならない意味がある行為ではないので、名前を入れるタイミングも特には、定まっていないのが特徴です。
ただ、一般的には、四十九日法要におこなう納骨式までに名前を彫っていくことが推奨されていまるため、そこまでに名前を彫っていない場合は、名前を彫った際に再度法要をおこなう必要もあり、費用もその分かかってきます。
納骨式には開眼法要と呼ばれる法要をおこないますが、名入れをする際にも同様の法要をおこなう必要があるため、墓石に名前を入れる場合には納骨式まで余裕をもった時期に、石材店に依頼をしておくようにしましょう。
名入れは1日で終わる作業ではないので相応の時間がかかります。現在すでに建っているお墓に追加して彫る追加彫りなどでは、早めに依頼をしておくことが必要です。これは、墓地の状況によっては、墓石を一度運搬して別のところに運ばないと彫れない場合があるためです。
まとめ
今回は、墓石に名前を入れる意味、名前を入れる費用や時期などについて解説しました。
墓石に名前を入れるかどうかは、必ず必要なことというわけではありませんが、なるべく納骨式には間に合うように実施しておくことが大切です。
また、費用面については状況にによっても異なるため、墓石に名前を入れる際には事前に石材店などにご相談いただくとよいでしょう。