遠方にあるお墓を自分で管理しやすい地域に移動させるケースは少なくありません。しかし、お墓は簡単に移動できるものではありませんし、墓じまいの作業で何度も遠方に足を運ぶのは大変です。
そのようなときに便利なのが墓じまいの代行業者ですが、普段依頼することがないため、業者の選び方や費用など、わからない点も多いかもしれません。
そこで今回は、墓じまいの代行業者に依頼できる内容やかかる費用、依頼するときの注意点についてお伝えします。
墓じまいの代行業者に依頼できること
代行業者に依頼する場合でも、墓じまいのすべてを代行してもらえるわけではありません。
一般的に依頼できる内容は、改葬許可申請書などの役所に提出する書類の作成補助や提出、新しい納骨先の検索や紹介、墓石の撤去に関する石材店への依頼や価格交渉などです。
一方、業者に依頼できないのが身内同士でなければ難しい親族間での協議やこれまでお墓を管理していた寺院、霊園等の管理人との交渉です。
これらの話し合いは今までの付き合いがあってこそ成立しやすく、第三者が介入すると揉めやすいこともあり、対応してもらえないことがほとんどです。
墓じまいを代行業者に依頼するときの流れ
代行業者に墓じまいを依頼する際にも、自分である程度は動いたり準備をする必要がありますので、依頼するときの流れを見ていきましょう。
まず、親族や現在お墓を管理している管理人に墓じまいを行う旨を伝えて了解を得ておきます。これは業者に依頼できる内容ではありませんので、早めに済ませておきましょう。
また、実務を代行業者に依頼することも併せて伝えておくと、業者が手続きを行う際にトラブルが起きにくいです。
次に代行業者の候補をリストアップして絞り込んでいきます。作業内容や評価、相見積もりの結果などから自分の希望に合ったところを探しましょう。業者が決まったら、正式に契約して手続きを依頼します。
墓じまいの実務は、代行業者がほとんど行うので関わることは少ないです。具体的には、遺骨の移動先を決めて役所等に書類を提出した後、お墓の閉眼供養を行います。さらに、移動先のお墓に開眼供養を行った後、納骨すればお墓の移動は終了です。
手続きが終わったら、代行業者から報告書が届きますので、内容の確認と支払いをします。
代行業者にお願いした場合の費用と内訳
代行業者に墓じまいを依頼した時の費用の目安は、およそ30~50万円程度です。業者の報酬規程や依頼した作業の範囲、移動の距離、お墓の数や規模などによっても金額は異なってきますので、先に見積もりをもらっておいた方がよいでしょう。
また、新しいお墓を建てる場合には墓石代が別途50万円以上かかります。
費用の内訳としては、最も高額なのが墓石の処分費用です。大きさにもよりますが、10万円以上かかると考えておきましょう。逆に、元の墓石をそのまま使う場合には、運搬費としてやはり10万円程度必要です。
元のお墓の管理者に納める離檀料は気持ちなので明確な金額はありませんが、数万~10万円程度みておきましょう。
納骨費用や開眼法要は、それぞれ3~5万円くらいかかります。改葬許可証の作成や提出はお骨一体につき千円もかからない程度です。
代行業者の選び方と依頼するときの注意点
墓じまいは代行業者に依頼すると負担がかなり軽減されますが、信頼できる業者を選ぶ必要があります。
選び方のポイントとしては、見積もりが詳しい内容で法外な金額になっていないか、細かく報告してくれるところか、口コミなどの評価が高いかなどで判断しましょう。
ご先祖に敬意をもって手続きをしてくれる業者、動画や写真などでリアルタイムに状況を報告してくれる業者などが安心して任せられます。
逆に、説明がほとんどない、料金が極端に安い、あるいは法外に高い業者は避けた方が無難です。
注意点としては、事前に親族に話をつけておくことが大切です。他の親族が墓じまいの準備をしている可能性もありますので、業者を探す前に親族間の意見を統一させておきましょう。
まとめ
今回は、墓じまいの流れや代行業者に依頼できること、業者の選び方や費用などについて見てきました。
墓じまいは独自の書類作成や手続きがあるので実際にお墓を移すときに苦労する人も多いです。
ある程度手続きの流れや代行業者に依頼できる範囲を理解しておくと、実際に作業を進める上でも話し合いや準備をスムーズに行えるでしょう。