引越しをすることになって、新しい場所に仏壇を置くスペースがない場合、位牌を処分することを考える人もいるでしょう。
位牌には、故人の魂が宿っている依り代であるため、不要になったからといって自由に捨てることはできません。
位牌を処分する方法はきちんとあり、処分費用のほうもかかってきます。そこで今回は、位牌の費用相場や処分方法などについて詳しくみていきます。
目次
位牌を処分する二つの方法
位牌は勝手に捨てることができませんので、処分する際には、お焚き上げもしくは永代供養という方法を取るようにしましょう。
お焚き上げ
お焚き上げとは浄火によって天に還す供養です。お焚き上げの前に、位牌に入っている故人の魂を抜くことで閉眼供養やお根性抜きともよばれています。
ただし、宗派によっては魂抜きを行わないところもあるので確認しておきましょう。お焚き上げはお寺で焼却処分してもらう儀式となりますので、お墓を管理、年忌法要をしてもらっている菩提寺があれば依頼することができます。
永代供養
寺院や霊園に位牌を収めることで、永代供養として位牌の供養と管理をしてもらうことができます。
ただし、寺院や霊園によりますが、決められた契約期間が過ぎれば位牌はお焚き上げの処分が行われます。
また、位牌の処分と共に、個別で管理されていた遺骨は不特定多数の人の遺骨と一緒に合祀され合祀墓に収められます。
位牌を処分するタイミング
位牌を処分するタイミングは引っ越しなどで仏壇を置くスペースがない場合のほかにもいくつかあります。
三十三回忌の弔い上げのとき
仏教の考え方によると、故人は三十三回忌を過ぎると現世の未練を断ち切るために極楽浄土へ行けるとされています。三十三回忌を最後の法要、つまり「弔い上げ」で位牌を処分します。
位牌をつくり変えるとき
夫婦連名にしたいとき、位牌が古くなって痛んでいるときなど位牌を新しく作り変えます。古いものを処分するときは、まず新しいものが出来上がってからにしましょう。
墓じまいをして永代供養にするとき
墓じまいをすると決めたときは、遺骨と共に位牌を永代供養にすることがあります。ただ、位牌だけは手元に残して供養したいのであれば自宅で管理するとよいでしょう。
位牌が自宅にあるといつでも故人と向き合うことができるというメリットもあります。
位牌を処分する費用の目安
位牌を処分するには一般的に魂抜きからお焚き上げがセットの場合が多いです。
位牌処分としてお坊さんに渡すお布施金額は10,000~50,000円が相場とされていますが、金額を決めきれない場合は30,000円を目安とするとよいです。
また、整理業者を利用するならば相場は5,000円(ひと柱)ほどになりますので、檀家寺に依頼するよりも費用を安くすませることができます。
ちなみに、永代供養で位牌を処分してもらうとひと柱につき10万~50万円ほどと高価になりますので、家族や親族と十分話し合うとよいでしょう。
菩提寺がなく位牌を自分で処分したいけれど可能か?
自分の家の菩提寺を知らない、付き合いがまったくないという場合であっても自分で位牌の魂抜きをしたり、処分を勝手にしたりすることはできません。
その場合は、お坊さんの手配・紹介サービスや位牌を処分してくれる専門業者に依頼するという手段もあります。
損をしないために複数業者から相見積もりを取ることをおすすめします。
浄土真宗は位牌処分は関係なし
浄土真宗の場合は、人が亡くなったらすぐに成仏するという考えがありますので魂の供養は必要とせず、位牌にも魂は宿らないと考えられています。そのため、浄土真宗においては位牌を必要とせず、閉眼供養も行っていません。
もし、浄土真宗で位牌を持っているならば、供養は仏具店や業者に依頼して処分するとよいでしょう。
まとめ
位牌は単なる木製の物ではなく、故人の魂が宿ったものと考えられていますので、家族が自由に処分していいものではありません。必ず、お焚き上げや永代供養などの方法で正しく処分することが求められます。
処分の費用は閉眼供養も含めて相場的には3万円ほどですが、業者に依頼するほうが少し安くなりますので、家族や親族と話し合って決めるとよいでしょう。