墓石は消耗品で年月の経過と共に劣化していきます。使用する素材や環境によって若干の違いはありますが、短いもので数十年程度で寿命を向かえてしまうケースも少なくありません。この寿命を延ばす重要なポイントとなるのが墓石のクリーニングです。
そこで今回は、墓石のクリーニングの基本的な流れや業者に頼んだ時の費用の相場について解説していきます。
墓石クリーニングとは?
墓石のクリーニングは雨や風による影響で汚れてしまったお墓を綺麗にする作業です。
年に数回など頻繁に足を運ぶことができない場合、その間に鳥の糞が付着してしまったりコケが生えてしまうこともあります。部屋の掃除と同じように、汚れを取り除いて綺麗な状態に戻すのが主な目的です。
墓石クリーニングの内容
クリーニングの基本的な作業に挙げられるのが洗浄です。これは文字通り天候や環境によって発生したカビやコケ、ゴミの除去が目的です。業者に依頼をする場合には、高圧洗浄機スクレーパーなどの専用の道具を使用して行われます。
屋外に設置されていている墓石は、雨や風などの影響で耐久力が失われてひび割れを起こすことも珍しくありません。例え小さなひびでもそのまま放置しておくとそこから雨水が入り込みます。場所によっては納骨室が浸水してしまう可能性もあるので注意が必要です。
こうしたひびの補修も墓石クリーニングの作業の一つです。
自分で墓石クリーニングをする方法
墓石のクリーニングは業者に依頼をせずに自分で行うこともできます。セルフクリーニングで最初に行うのが水洗いです。
ここで挙げる水洗いとは本格的な作業に移る前に水で汚れを落とす作業です。とはいえ、砂やゴミなど墓石に付着した汚れはただ水を掛ければ落とすことはできないため、水分を含ませた布やスポンジで表面を拭き取らなくてはいけません。
水洗いの作業で汚れが落ちたら次は全体に洗剤を吹き掛けます。洗剤はカビやコケに効果のある市販の墓石用洗剤で問題ありません。ただし、塩素や酸性の成分が含まれている物はシミや変色などを起こしてしまうこともあるので、購入前に成分を確認をしておくことが大切です。
全体に万遍なく塗布したらしばらく放置した後、タワシやブラシなどで磨きます。この時に墓石を傷付けないようにしっかりと濡らした状態で作業をすることを忘れてはいけません。
最後にもう一度墓石全体に水を掛けて汚れを落としてから乾いた布で吹きあげれば完成です。夏場であれば問題ありませんが、水分が取れにくい冬の時期は拭き残しがあるとカビの原因になります。溝の部分なども丁寧に吹きあげるのがポイントです。
業者に墓石クリーニングを依頼する場合の費用相場
忙しくて墓石の手入れに時間が割けない人は専門の業者に依頼をすれば代わりにやってもらうことができます。
業者に依頼をした時のクリーニングの平均相場は10万円前後です。ただし、これはそのままの状態で作業をした時の金額で、隅々まで綺麗にするために墓を解体するなどの作業が加わると20万円から30万円になります。
中には隣のお墓との間隔が狭いなど墓地の問題で別の場所に移動させなければいけないケースも少なくありません。この場合、別途クレーン車の使用や移動に掛かる費用が上乗せされるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
墓石のクリーニングに掛かる費用は明確に決められておらず、それぞれの業者が自由に設定できるきまりになっています。依頼をする時は一つの業者で決めずに複数から見積もりを取って比較検討をした上で決めることがポイントです。
まとめ
墓石は屋外に設置されている以上、常に雨や風の影響を受けます。それによって発生したコケやカビなどは景観を損ねるだけでなく、墓石の寿命を縮めてしまうことに繋がるのでそのまま放置しておいてはいけません。
クリーニングは墓石の寿命を延ばすと共に先祖への供養にもなるので、お参りをした時に忘れずに行うことが大切です。