先祖代々受け継いでいるお墓ほど、経年劣化により墓石の補修が必要になります。しかし、どのように補修すればよいのかはなかなかわかりにくいでしょう。また、費用がどれぐらいかかるのかも気になるところです。
ここでは、どのような場合に墓石の補修が必要なのか、費用はどれぐらいかかるのか、どうやって補修すればよいのかなどについて詳しくご紹介します。
墓石の補修が必要な場合とは
墓石の補修が必要なのは、そのまま放置しておくとさらに状態が悪化してしまう場合です。墓石がずれたり傾いたりしている場合は、そのまま放置していると転倒してしまう可能性があるので補修が必要となります。
また、欠けやひび割れも放置していると雨水などが入り、さらに大きく欠けたりひび割れたりすることがあります。墓石がもろくなってしまうので、早めに補修しましょう。
そのほか、拭いても取ることができない水垢や錆などの汚れも補修する必要があります。破損がひどくなると補修費用も高くなるため、少しでも欠けやひび割れを見つけたら、早めに補修するのがベストです。
墓石の補修方法と流れ
墓石を補修する時は、石材店に相談するのが基本です。石材店によって料金が異なるため、まずは複数の石材店に見積もりを出してもらい、予算に合うところを選ぶのが良いでしょう。墓石がどのような状態であるのか説明し、写真なども添えればより正確な見積もりを出してもらえます。
お墓を建ててくれた石材店がわかっているなら、そこが第一候補となります。墓石の材質も把握しているはずですから、適切に補修してくれるでしょう。
また、墓地によっては専属の石材店が決められていることもあるので、勝手に自分で選べないこともあります。トラブルを避けるためにも、事前に確認するようにしましょう。
墓石補修の費用
墓石補修の費用は補修の内容によって異なります。
目地の割れやひび割れの補修費用の相場は3万円から5万円です。墓石のずれを補修するのは3万円から10万円が相場ですが、墓石の積み直しが必要になるほどずれている場合は30万円ほどかかることもあります。
傾いた墓石の補修費用の相場は100万円から200万円で、新しいお墓を作るのと同等の金額がかかります。そのほか、倒れたお墓の補修費用は30万円から100万円が相場です。
また、墓石の補修は通常墓地で行われますが、破損がひどく石材店の工場へ持ち込まねばならない場合、魂抜きや閉眼供養のために僧侶に読経をしてもらう必要があります。1回の読経のお布施の相場は1万円から5万円で、お墓から墓石を撤去する時と工場からお墓に戻す時と2回の読経となるため、お布施料として2万円から10万円ほど必要になるでしょう。
墓石補修のDIYは可能?自分でやる方法と注意点
大掛かりな補修は無理ですが、ちょっとしたひび割れなどはDIYで補修することも可能です。ただし、自分でやるには専用の道具を揃える必要があります。墓石補修で使うのはコーキングという接着剤で、シリコンタイプや樹脂タイプがあります。
ひび割れの補修方法として、まずは墓石の表面をきれいに拭き取り、コーキングをひび割れ部分に充填します。ヘラなどで伸ばし、ひび割れ部分にしっかり収まったら、はみ出したコーキングを拭き取って完了です。
自分で補修する時の注意点としては、大掛かりな補修を自分でやろうとしないことです。余計に破損を大きくする可能性もあり、かえって補修費用が高くつくこともあります。自分でできないと判断したら、無理せず石材店にお願いするのが賢明です。
まとめ
墓石が破損していると見た目が悪いだけでなく、ご先祖様にも顔が立ちません。墓石の補修は石材店に依頼すると高額になってしまうため、DIYできるうちに破損を見つけ、補修しておくと良いでしょう。
そのためには普段からこまめにお墓参りをして、墓石の状態をチェックすることが大事です。墓石を良好な状態に保ち、ご先祖様を敬いましょう。