お墓参りは、忙しい日常から離れてゆっくりと故人と対話できる安らぎの場です。また、代々受け継がれてきた命のつながりを感じさせてくれるスピリチュアルな場所でもあります。
ですが、作法や儀式など堅苦しく考えず故人に気軽に会いに行く気持ちでお墓参りをすることが大切です。
そこで今回は、知っておくと気持ちに余裕が出るお墓参りの流れやマナーについてお伝えしていきます。
目次
お墓参りの作法や最低限のマナー
お墓参りをするとき、何か特別決まった作法はありませんが、親しかった故人やご先祖様に会いに行って感謝して手を合わせることが大切なことです。
服装については、派手な色やデザインではないカジュアルなもので問題ありませんが、墓地内に砂利や階段があるところもありますので、履きなれた靴を履く方が無難です。
ただし、回忌法要などを行ってお経を唱えてもらう場合は、マナーとして礼服やスーツなどのフォーマルスタイルで参るようにしましょう。
お墓参りに必要な水の3つの役割
お墓参りの水はお供え用、墓石用、そして掃除用などに使われるため欠かせません。仏様や故人に清らかな水を献上するためにも、水桶を2つ用意するのが理想的です。
お供え用の水
お墓参りでは「お参りする人の心を清らかにする」という意味で、墓石の水鉢に新鮮なお水を入れてお供えします。
水鉢は墓石中央のくぼみ部分にありますが、もしなければ湯呑などに水を入れてお供えすればよいです。
墓石にかける水
仏教的な考えで、墓石に直接、清潔な水をかけることで供養になると考えている人もいます。
また、故人にお墓参りに気づいてもらうために水をかけるという人もいますが、いずれにしてもお墓全体にたっぷりと注ぐようにします。
ですが、必ずしも墓石に水をかけなければならないということではないですし、失礼な行為にもあたらないので安心してください。
墓石を掃除するための水
墓石についたホコリや汚れを濡らした布で拭いたり、水で流してきれいにします。
家庭用掃除洗剤や食器用洗剤、墓石用の洗剤などもありますが、素人判断で使うと墓石の変色の原因となるため、水洗いだけにしておきましょう。
お墓参りでの線香の作法
お参りのときは故人と縁が深い人から線香に火をつけ合掌します。手に数珠をかけ合掌しているときは、日ごろの報告したいことや感謝の気持ちを心の中で語りかけます。
また、線香の火は口で消すと「仏に備える火がけがれになる」といわれていますので、必ず手であおいで消すようにしましょう。
お墓参りをする上で気を付けたい3つのポイント
お参りをする上で気を付けるポイントを3つお伝えします。
お供え物は持ち帰ること
お供え物はそのままにしておくとカラスや小動物が荒らして、墓石にサビやシミができたり、周辺が汚くなって迷惑がかかります。
お花や線香はそのままでよいですが、お供えした食べ物や飲み物は持ち帰り、自宅でいただくようにしましょう。
お酒を墓石にかけない
お酒が好きだった故人を思って墓石に直接お酒をかける人がいますがやってはいけません。
墓石は自然石から造られていることから、すぐにシミやサビになりますので、アルコール関係の飲み物は缶ビンのままお供えしましょう。
霊園や宗派のルールを守る
霊園ごとのルールや利用規則がありますので、お参りの前に確認しておきましょう。
特に、お盆やお彼岸の時期は多くの方がお墓参りに来ますので、周りの人たちに配慮した服装や行動を心がけるといいです。
宗派によっては、お供えするものや線香のお参り方法など異なりますので、事前にチェックしておきましょう。
また宗派だけの違いではなく、地域の慣習や親族独自のやり方がちがうこともありますので、お参りに同行する人に聞いたり教わったりするとよいです。
まとめ
お墓参りはかしこまった特別な行事ではありません。亡くなった方、ご先祖様を供養して感謝の気持ちを伝えることで、頑張って生きようという希望や家族との繋がりの大切さを再確認できるよい機会です。
決められたお墓参りの作法はなく面倒なものでもありませんので、記事を読んで、これからお墓参りがもっと身近に感じられるようになればと思います。